• 院長のココだけの話

実証されているものだけでつくる!!

京都市右京区太秦・常盤の歯科医院
歯医者いばらき歯科クリニック
院長のイバラキツヨシです。
素晴らしい本にまたまた出会いました。
「奇跡と呼ばれた学校」荒瀬克己(朝日新書)です。
s-奇跡と呼ばれた学校.jpg
副題として
「国公立大合格者30倍のひみつ」
とあります。
この本は、地元京都市立堀川高校の
挑戦の足跡が記されています。
ただ国公立大合格者が30倍になっただけではありません。
地元の市民からほとんど期待されなくなっていた
京都の公立高校がどういう試行錯誤を経て、「奇跡」
とまで言われるようになったのか
詳しく書かれています。
本当に素晴らしい言葉が満載なのですが
少しだけ挙げたいと思います。
本書45頁ほどより、
新幹線をつくった島秀雄さんという技術者のことが述べられています。
彼は新幹線をつくるとき、全国から集めた優秀な技術者たちを前にこう言ったそうです。
「実証されている技術だけでつくる」
つまり、新しい技術には一切挑戦しないと明言したのです。
新幹線ほどの乗り物が、実証されている技術と安全性だけでつくられた。しかも40年以上たった今も大事故はない。なんとすごいことでしょうか。
教育も同じではないか。
(中略)
自分たちがやってこなかったこと、過去においては、やっていたこと、それらを引っ張り出し、つなぎ合わせ、足りないものを補っていく。
(中略)
堀川高校も冒険はしません。教育とは見果てぬ夢のようなものではなく、過去を振り返って評価をし、淡々と進めていく実務だからです。
僕もはっと我に返りました。
医療も同じだなぁとつくづく思います。
僕ら歯科医師が行っている医療行為は、
疾病という事実を元に、論理を組み立て、結論に至った筋道を
一つ一つたどっていくものだと改めて思い返しました。
偶然を期待しても、何も起こらないし、
そもそもそういうものは医療とは呼ばないです。
先人たちが残してくれた試行錯誤にこそヒントがあるのですね。
僕ももう一度、先人たちが残してくれたものをおさらいしたいと思います。
(合掌)